軽貨物運送を含む運送業に携わっている方はご存知かもしれませんが、運送ドライバーを狙った詐欺被害が出ています。

これから軽貨物運送を始めようと考えている方は、被害を回避するためにも詐欺の手口や対処法について知っておくことが大切です。

今回は、軽貨物運送の詐欺手口と回避方法についてご紹介したいと思います。

軽貨物運送ドライバーを狙った詐欺の実例

まずは軽貨物運送ドライバーがどのような詐欺被害に遭っているのか、実例を3つご紹介いたします。

業務用の軽自動車を購入させる

「業務に必要だから」と言われ、軽自動車を購入したのは良いものの、肝心な仕事が一切入ってこない…このような詐欺が多くあります。

たとえ仕事が入っても、仕事量が少なくローンの返済もままならないという状況に陥るという報告があります。

また、購入ではなくカーリースで長期間の契約を結ばせるという手口もあります。

このような場合は軽貨物運送の仕事紹介ではなく、本当の目的は車の販売やカーリースの契約が目当てとされています。

業務委託のはずが正社員と変わらない扱い

業務委託として仕事を請け負うようになったものの、人数が少なくて正社員と同じ働きを求められるということもあります。

業務委託契約と正社員では雇用契約の内容が異なります。

業務委託は会社との雇用関係がなく、業務を請け負う会社と同レベルの関係性であるはずです。

しかし、毎日出社を義務付けたり、高額な保険加入料を請求したりとったことがあります。

これは偽装請負と呼ばれる手口で、職業安定法という法律では違法にあたります。

高額なマージンを抜かれる

求人の文句として「1ヶ月で〇万円」と書かれているのをよく見かけますが、悪徳な業者は一度収入を与えたあとで高額なマージンを請求してくることがあります。

たくさん稼いでもマージンとして多くの金額を持っていかれてしまい、最終的に手元に残る金額は非常に少額になってしまいます。

どうすれば詐欺被害に遭わずに済む?

このような悪徳業者に引っ掛からないようにするには、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。

担当者と直接会えるかチェック!

悪徳業者の手口として、「直接やり取りをするのではなく、銀行振り込みや郵送を利用した間接的な取り交わし」があります。

捕まるのを避けるため、できるだけ対面の機会を減らそうとしていると思われます。

まずは担当者と実際に会うことができるか確認してみましょう。

仮に会うことができたとしても、相手の名乗っている立場や名前が本当に正しいものかどうかは分かりません。

きちんと名刺を受け取り、本当にその人物がいるか会社に連絡を入れて確認をとりましょう。

名刺に連絡先が書かれていることもありますが、悪徳業者や詐欺会社に繋がることもあるので注意が必要です。

加盟金や新車購入が必須かを確認

軽貨物運送ドライバーに応募をしたら、加盟金や新車の購入の有無について確認しておきましょう。

必要な金額や車種まで細かく聞き出すことができればなお良いです。

軽貨物運送業が未経験の場合、詳しい相場を知らずに相手の言葉を鵜呑みにしてしまう可能性があるので注意が必要です。

金額をあらかじめ知り、相場と見合っているのかを調べましょう。
また、車の購入や加盟金の納入をすぐに求められた場合は、考える時間を与えないようにしている可能性があります。

高額な支払いになることもあるので、十分検討する時間がとれないようであれば警戒しましょう。

車の持ち込みが可能な業者を選ぶ

新車の購入に抵抗がある場合は、車の持ち込みができる業者に応募を絞るという方法もあります。

車の持ち込みができる場合は、新車購入などの「内職商法」を避けることができます。

たとえ持ち込みができない場合でも、車両を無償や低価格でレンタルできる場合は内職商法のリスクが非常に少ないといえます。

安易に契約を結ばない

これは何事においてもいえることですが、たとえその場で即断を迫られたとしても安易に契約を結ぶということだけは避けましょう。

その場の空気に飲まれてしまい、不利な契約内容に気が付けていないという可能性があります。

もし直接話をする機会がある場合は、事前に会話を録音しておくなど、証拠を残せるようにしておくことをおすすめします。

まとめ

軽貨物運送は日本の物流を支える、なくてはならない職業です。

しかし、残念なことに仕事を紹介すると言いながら詐欺をはたらく悪質な業者も多数存在します。

詐欺被害に遭わないためには、求人募集で都合のいいことが羅列されていても鵜呑みにせず、客観的な視点で考えることが大切です。

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